私の一生の夢

(この文章は、2009年9月に書きました)

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「自己紹介」のページでは、私の一生の夢を「高速道路を一切使用せずに、自分の車で
日本一周をすること」と書いた。これを見た皆さんの中には「何日間位で日本一周するんだろう」
なんて思った人も多いと思うが、私の夢は全く次元が異なる。

「生きている間に実現してしまったら」、それは「一生の夢だったんだろうか?」
ということなんです。つまり、一生かかっても達成できないくらいに難しい夢。

でも、それが自分にとっての「ライフワーク」。それが、「一生の夢」だと思っている。

先ずは、「なんでこんなことを考えたのか?」という原点からお話しよう。

それは、今から約50年前に遡る。

私が小学生のときに、東京の大田区から横浜の緑区(当時は港北区)に引っ越したのだが、
転校先の小学校は小高い丘の上にあり、その小学校の古びた木造校舎の裏から見た景色。
そこには、東京では見たことのない田園風景が広がっていた。今となっては、その景色が
どんなものだったのか思い出せないのだが、その時の感動は今でも覚えている。
それは、有名な景勝地でもない、ごく普通の場所にでも、こんなに感動的な景色があるんだ。
日本にも、探せばまだまだ景勝地に負けない心に残る素晴らしい景色があるのではないかと、
子供心に思ったのです。

私の一生の夢。それは、この子供の時に見た、感動的な景色を捜し求めることなのです。

次に、何をやりたいのか「理想論」から、お話しよう。

景色というのは、同じ場所でも四季折々で異なる。また、天気にも左右される。
晴の天気より、曇りとか雨の日の方が、素晴らしい雰囲気になる場所だってある。
また、一番重要かもしれないのは、その時の気分によっても感じ方が変わってしまう。

こんな厳しい条件の中で、感動的な景色を探す。それは、いつ/どこに行けばよい
なんて簡単なものではない。ましてや、人生の一瞬にしか過ぎない旅行とか
旅とかでは、あまりにも出会う可能性は小さい。その土地に生活し、四季を感じながら、
その土地を一通り見て歩く。景色を見るというよりは、肌で感じる。その中から、
偶然「感動的な景色」に遭遇する。これが、私の考えている理想なのです。

この理想を実現するためには、何年か毎に引越を繰り返しながら各地を周ることになるが、
これでは、日本各地を一通り見て回るだけの時間も金も足りない。

ということで、実際どのように、これを進めるかですが、
「偶然を大切にしたい」。そのために、できるだけ多くの場所を見てみたい。

だから、目標は「日本一周」とした。

景色は、歩くスピードで見るのが理想だが、日本をくまなく見て歩くには、
残りの人生が短くなりすぎてしまった。また、移動中に、どんな素晴らしい場所が
あるかもしれない。素晴らしい場所を見つけたら、そこで足を止めて「のんびり」したい。
これは、一般道を自分の車で、自分で運転してこそできるのではないだろうか。

だから、「高速道路を一切使用せずに、自分の車で」とした。

本文の最初に「一生かかっても達成できないくらいに難しい夢」と書いた。
いくら日本の土地が狭いとは言っても、そこに張り巡らされた道は、無限に近く、
その全てを走破するなんていうことは、とても不可能。

だから、一度に達成するなんて考えず、マイペースで、何回にも分けて

「各地域のメイン道路(国道)を、一通り走ってみる」ことを実現目標とした。

それでも、到底達成できない目標である。しかし、何もすることがない余生よりも
「まだ、走っていないところが一杯ある。今度はどこに行ってみようか?」などと
目標を持って過ごす方が、よほど楽しいのではと考える。

とりあえず、住んでいる「神奈川県」と、隣接する「東京都」から始めてみた。

どこかに行こうとするとき、自分の住んでいる所から目的地に向かって放射状に
伸びる道を走ることになり、自分の家を中心とする環状の道路は、
意外と走っていないことに気づく。生活圏内の道路なのに、
「いや~。この道走るの久しぶりだね。なつかしいね~」とか、
「この道、走るの初めてだ」という感じなのである。

また、GPSデータを地図ソフトに取り込み、走行済ルートに線を引いていくと、
走っていないルートが明確になり、「今度は、ここを走ってみるか?」などと、
次のことを考えていることに気づく。これが意外と楽しい。

ついに一ヶ所目発見

それは、伊豆下田から車で10分程の所にある「爪木崎」であった。

「爪木崎」は、水仙の群生地として知られる観光地でもあるが、この日は水仙も
咲いていない。着いたのは、平日の午後4時半過ぎ。駐車場は店じまいした後だったが、
仕切りがないため無料駐車場。駐車場に隣接する土産物屋も店じまいの最中だった。

こんな人影のない駐車場からみる海岸の景色。海岸に止めてある車(トラック)が
妙に寂しげに見える。それは、目で見る景色だけでなく、音、匂い、五感に感じるものが、
その時の感情に一致したのだと思う。まさに
この雰囲気を探していたのだ。

おそらく、再度この場所を訪れても同じ感動は得られないのではないかと思う。
水仙でも咲いている時期に行ったら、ただの観光地にしか見えなかったであろう。
この日この時、この気分、そして景色。これらが合体して味わえる感動なのだと思う。
また、この日は「爪木崎」を訪れる予定はなく、夕食までの時間つぶしのために訪れた
偶然の賜物でもあった。

これから先、何度このような感動が得られるのか。また、いつまで続けられるのか
分からない。意外と早く気が変わってしまうかもしれないし、病気になったり、
交通事故にでもあったら、そこで終わりかもしれない。

今は体力の続く限り続けてみようと思っているが、無理はしたくない。
仮に、年1~2回しか出かけなくても、その目的が「一生の夢実現に向けて」
であれば、それでよいのではと思う。

さ~、長い旅の始まりです。記録自体は、このページを見ている人の興味を
誘うようなものではないと思うが、各地で撮った写真などは、
できるだけ反映していきたいと考えていますので、
時々は「旅の記録」のページにお寄りいただければ幸いです。


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