万田抗

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2012/11/24(10:24,10:25)
「万田坑ステーション」。
「万田坑」は、福岡県との境に近い熊本県荒尾市にあり、三池炭鉱の主要な坑口の一つとして、
明治35年(1902)、三井の総力を挙げて開かれた、日本最大規模の竪坑であり、
昭和2年(1927)~20年(1945)の19年間には、年平均86万㌧を出炭したが、
昭和26年(1951)、採炭効率の低下により採炭中止(閉坑)に至る。
万田坑閉坑以後も、坑底付近の坑内排水のため、平成9年(1997)三池炭鉱閉山までの間、
万田坑は排水施設として維持されていた。
その後、平成21年(2009)には、「九州・山口の近代化産業遺産群」の構成資産として、
ユネスコ世界遺産暫定リストに登録されている。
「万田坑ステーション」は、万田坑のガイダンス施設として平成21年(2009)オープン。
坑内に入ると、売店、トイレ等の施設はないので、これらは「万田坑ステーション」を利用する。
見学券も、「万田坑ステーション」で購入するが、万田抗は少し離れた場所にある。

2012/11/24(10:25)
「万田坑マップ」。
マップの下方に「現在地」とあるのが「万田坑
ステーション」である。
写真をクリックすると「万田坑マップ」が
拡大表示されます。
なお、表示される画像は、1280x900ピクセル
あります。
「万田坑マップ」の文字を読みたいときには、
表示された画像をクリックし、スクロールバーを
ご利用下さい。

2012/11/24(10:30,10:30)
「万田坑ステーション」館内の展示物。
「万田坑ステーション」の館内には、昭和14年(1939)当時の万田坑施設全体を復元した模型や
万田坑の古写真等が展示され、万田坑の歴史等を知ることができる。
2012/11/24(10:37)
「桜町トンネル」の入口。
「万田坑ステーション」から「万田坑」に向け
歩くと、「旧正門」の右にある。
2012/11/24(10:37,10:38)
「桜町トンネル」の荒尾市側とその内部。
「桜町トンネル」は、昭和8年(1933)に造られ、幅2.7m、高さ2.4m、全長約130m。
荒尾市と福岡県大牟田市を結ぶ生活道路として使われたという。
2012/11/24(10:39)
「万田坑正門」。
ここで、「見学券」を見せて坑内に入る。
建物は、「第二竪坑巻揚機室」。
建物の後ろは、「第二竪坑櫓」。
2012/11/24(10:42)
「山の神」。
「万田坑正門」を入り奥に進むと左側にある。
炭鉱では、落盤等の命にかかわる事故や災害の
危険性が高いため、仕事の前に必ず「山の神」に
安全祈願をしたという。
2012/11/24(10:43)
「倉庫及びポンプ室」。
明治38年(1905)建設。
大正3年(1914)までの間は、坑内の換気を行う
扇風機室として使用され、巨大なウォーカー式
扇風機で、坑内の空気を吸い出していたが、
その後は、消火器を置くための倉庫、坑内から
汲み揚げられた水を送水するためのポンプ室と
して使用されたという。
2012/11/24(10:45)
屋外に置かれた「ケージ」。
「ケージ」は、作業員を坑底まで運ぶ
エレベータの籠である。
2012/11/24(10:45)
「ボイラー室(左)」と「給湯/重油タンク」。
2012/11/24(10:46)
建物中央に「浴室」、右に「安全燈室」。
2012/11/24(10:47)
「浴室」。
元は、扇風機室の機械室として使用されていた
が、昭和26年(1951)年以降に浴室や脱衣場と
して改装されたという。
2012/11/24(10:48)
「安全燈室」の前。
キャップランプの充電台や干渉計(ガス検定器)、
バッテリー機材、坑内管理を行うために必要な
器具等が並べられている。
2012/11/24(10:48)
「第二竪坑櫓」の入口。
ここにも「ケージ」が置かれている。
坑内作業員は、このケージに乗って地下264m
の坑底まで下りたという。
2012/11/24(10:49)
「第二竪坑口」。
現在、この竪坑は埋められているが、かっては
ここに約8.3mX4.4m、深さ264mの
穴があり、1台のケージに25人の作業員を
乗せ、2台のケージを「つるべ式」に上下させ、
264m下の坑底までを約1分間で昇降したと
いう。
2012/11/24(10:50)
「第二竪坑口」から上を仰ぐ。
上には、「第二竪坑櫓」が立つ。
2012/11/24(10:51)
「坑口信号所」。
ケージの安全運行のため「第二竪坑巻揚機室」の
運転手や「坑底」との間を「鐘」「ベル」や
「電話」で連絡を取りあったという。
2012/11/24(10:53)
「台車」。
「竪坑」は、資材の昇降にも利用されたが、
資材を昇降させるときは、ケージを取り外し、
ウインチを使用したという。
2012/11/24(10:53)
「入坑通路」。
「坑底」に向かう作業員は、この通路を通り、
「ケージ」に乗ったという。
2012/11/24(10:55)
「第二竪坑」の入口外に置かれた「台車」。
2012/11/24(10:56)
「第二竪坑櫓」。
明治41年(1908)竣工。
総鋼鉄製で主脚4本、補助脚2本の柱で構成
され、高さは約18.8m。
写真をクリックすると拡大写真(450x600)が
表示されます。
2012/11/24(10:58)
「事務所(旧扇風機室)」。
大正3年(1914)建設。当初扇風機室であったが、
閉坑後は、1階が「更衣室」、2階は事務所と
坑内の「監視室」として利用されたという。
2012/11/24(10:59)
「職場」。
万田坑施設で使う機械の修理や、工具の制作を
行っていたという。
2012/11/24(11:00)
「職場」の中。
旋盤やドリル盤は、ベルトを付け替えることに
より、モーター1台で動く仕組みになっていた
という。
2012/11/24(11:00,11:01)
「職場」の中。
工作機械は、旋盤が2台、他にボール盤、研削盤があったという。
2012/11/24(11:02)
職場を出たところから見る「第二竪坑櫓」と
「事務所(旧扇風機室)」。
2012/11/24(11:03)
「第二竪坑巻揚機室」。
明治42年(1909)竣工。
中2階に重量物を昇降させるためのウインチ。
2階には、人員を昇降させるための「ケージ
巻上機」がある。
2012/11/24(11:06)
重量物昇降用「ウインチ」。
ヘルメットを着用し、「第二竪坑巻揚機室」の
中を見学する。
2012/11/24(11:07)
「第二竪坑巻揚機室」に書かれた「ウインチ」の
仕様等。
写真をクリックすると仕様等を書いた部分が、
拡大表示(800x600)されます。
2012/11/24(11:08)
2階から見る「ウインチ」。
「ワイヤロープ」を巻く「巻胴」の直径は、
1.82mで、幅2.73m。
「ワイヤロープ」は太さ45mm、長さ500m。
2012/11/24(11:08)
人員昇降用「ケージ巻上機」。
「ワイヤロープ」を巻く「巻胴」の直径は、
3.96m。
「ワイヤロープ」は太さ36mm、長さ390m。
2012/11/24(11:09)
「入」と「切」の文字が書かれた箱が、6個
並んでいる。各装置に電力を供給したり切断する
ためのメインスイッチであろう。
2012/11/24(11:10)
白板には「信号規定」が書かれている。
「第二竪坑口信号所」と連絡を取りあいながら、
「ケージ巻上機」を操作する運転台であろう。
2012/11/24(11:11)
「ケージ巻上機」のモーター(右)と
ブレーキ(中央付近)。
この後、「第二竪坑巻揚機室」を出る。
2012/11/24(11:18)
「汽罐場跡」。
「汽罐場」とは、ボイラー室のことで、出炭開始
当初の万田坑の動力のほとんどは、石炭を焚いて
発生させる蒸気であったという。
2012/11/24(11:19)
汽罐場跡から見る「第二竪坑櫓」と「第二竪坑
巻揚機室」。
2012/11/24(11:22)
「配電所(変電所)跡」。
「汽罐場跡」から「第一竪坑跡」に向かう途中に
ある。
2012/11/24(11:23)
「第一竪坑櫓跡」。
左右のコンクリート壁は、第一竪坑櫓の台座で、
櫓には石炭を地上に揚げるためのケージが4つ
吊るされていたという。
昭和29年(1954)に解体された櫓は、北海道まで
運ばれ「三井芦別鉱業所」に転用されたという。
2012/11/24(11:25)
「選炭場跡」から見る万田坑施設。
「第二竪坑櫓」の左には、「事務所(旧扇風機室)」。写真右には、「配電所(変電所)跡」と「第一竪坑櫓跡」が写る。
2012/11/24(11:25)
「選炭場跡」。
この選炭場では、第一竪坑から地上に揚げられた
石炭(原炭)を大きさや品質別に選別したり、
石炭とボタ(岩石)を選別したという。
選別された石炭は、三池炭鉱専用鉄道の石炭貨車
で、万田駅(現JR荒尾駅)や三池港に運ばれた
という。
2012/11/24(11:26)
「選炭場跡」から見る第二竪坑櫓。
2012/11/24(11:27)
「第一竪坑口」。
金網のフェンスに囲まれた中に「坑口」がある。
坑口の大きさは、約12.4m×3.8m。
穴は埋められることなく、現在も地下271m
まで開いているが、坑底から80m程上までは、
地下水で満たされているという。

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