なごらの浮岩


かつてこの石は鵜方浜の入口、長原の海中にあり、潮が引くと見えることから
「なごらの浮岩」と呼ばれていたが、この浮岩に舟の「櫓」が当たると
祟りがあるといわれ、漁師はたいへん恐れていたという。

船越から鵜方に移ってきた「木次郎」は、普段見えない「なごらの浮岩」が
浮いているのを見て、女房の「サワ」にそのことを話した。
するとその夜、サワの夢の中に浮岩が現れて「我は、なごらの竜神石じゃ、
早く陸へあげて祀ってほしい。」と告げられた。

そこで、近所の人たちにも手伝ってもらい、三つの石を陸に上げ、「木次郎」の
家の裏山へお祀りしたのだが、するとまた「サワ」の夢に竜神石が現われ、
「我ら三つの石は、元々横山の神の使いである。横山に祀ってほしい」と告げられた。

そこで、「木次郎」と「サワ」は横山の中程で鵜方浦がよく見える場所に竜神石を祀った。

それ以来、「八大竜王」が舟の安全を守ってくれて、
大きな船でも自由に通ることができるようになったという。

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